自動車損害賠償保障法(自賠法)

(公布 昭和30年7月29日法律第97号)最終改正年月日:平成16年6月18日法律第107号

第1章 総則

第1条 この法律の目的

第2条 定義

第2章 自動車損害賠償責任

第3条 自動車損害賠償責任

第4条 民法の適用

第3章 自動車損害賠償責任保険および自動車損害賠償責任共済

第1節 自動車損害賠償責任保険契約または自動車損害賠償責任共済契約の締結強制

第5条 責任保険又は責任共済の契約の強制

第6条~第10条の2 省略

第2節 自動車損害賠償責任保険契約および自動車損害賠償責任共済契約

第11条 責任保険及び責任共済の契約

第12条 責任保険契約締結の対象

第13条 保険金額

第14条 免責

第15条 保険金の請求

第16の2条 休業による損害等に係る保険金等の限度

第16の3条 支払基準

第16の4条 書面の交付

第16の5条 書面による説明等

第16の6条 支払等の届出

第16の7条 国土交通大臣に対する申出

第16の8条 指示等

第17条 被害者に対する仮渡金

第18条 差押の禁止

第19条 時 効

第2節の2 指定紛争処理機関

第23条の6 業 務

第3節 自動車損害賠償責任保険事業および自動車損害賠償責任共済事業

第24条 責任保険及び責任共済の契約の締結義務

第25条~第30条 省 略

第4節 自動車損害賠償責任保険審議会

第31条~第39条 省 略

第40条~第70条 削 除

第4章 政府の自動車損害賠償保障事業

第71条 自動車損害賠償保障事業

第72条 業 務

第73条~第82条の2 省 略

第5章 雑 則

第82条の3~第86条 省略

第6章 罰 則

第86条の2~第92条 省略

 

【この法律の目的】

第1条 この法律は、自動車の運行によつて人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより、 被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とする。

【定 義】

第2条 この法律で「自動車」とは、道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車(農耕作業の用に供することを目的として製作した小型特殊自動車を除く。)及び同条第3項に規定する原動機付自転車をいう。
この法律で「運行」とは、人又は物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう。
この法律で「保有者」とは、自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供すものをいう。
この法律で「運転者」とは、他人のために自動車を運転又は運転の補助に従事する者をいう。

【自動車損害賠償責任】

第3条 自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたこと証明したときは、この限りでない

【民法の適用】

第4条 自己のために自動車を運行のように供する者の損害賠償の責任については、前条の規定によるほか民法(明治29年法律第89号)の規定による

【責任保険又は責任共済の契約の締結強制】

第5条 自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない

【責任保険及び責任共済の契約】

第11条 責任保険の契約は、第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し、保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
責任共済の契約は、第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において、これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を組合がてん補することを約し、共済契約者が組合に共済掛金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

【保険金額】

第13条 責任保険の保険金額は、政令で定める
前項の規定に基づき政令を制定し、又は改正する場合においては、政令で、当該政令の施行の際現に責任保険の契約が締結されている自動車についての責任保険の保険金額が当該制定又は改正による変更後の保険金額とするために必要な措置その他当該制定又は改正に伴う所要の経過措置を定めることができる。

【保険金の請求】

第15条 被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。

【保険会社に対する損害賠償額の請求】

第16条 第3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、 害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる
被保険者が被害者に損害の賠償をした場合において、保険会社が被保険者に対してその損害をてん補したときは、保険会社は、そのてん補した金額の限度において、被害者に対する前項の支払の義務を免かれる。
第1項の規定により保険会社が被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、保険契約者又は被保険者の悪意によつて損害が生じた場合を除き、保険会社が、責任保険の契約に基づき被保険者に対して損害をてん補したものとみなす。
保険会社は、保険契約者又は被保険者の悪意によつて損害が生じた場合において、第1項の規定により被害者に対して損害賠償額の支払をしたときは、その支払った金額について、政府に対して補償を求めることができる。

【休業による損害等に係る保険金等の限度】

第16条
の2
保険会社が被保険者に対して支払うべき保険金又は前条第1項の規定により被害者に対して支払うべき損害賠償額(第28条の4第1項を除き、以下「保険金等」という。)のうち被害者が療養のため労働することができないことによる損害その他の政令で定める損害に係る部分は、政令で定める額を限度とする。

【支払基準】

第16条
の3
保険会社は、保険金等を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準(以下
支払基準」という。)に従つてこれを支払わなければならない。
国土交通大臣及び内閣総理大臣は、前項の規定により支払基準を定める場合には、公平かつ迅速な支払の確保の必要性を勘案して、これを定めなければならない。これを変更する場合も、同様とする。

【書面の交付】

第16条
の4
保険会社は、保険金等の請求があつたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払基準の概要その他の国土交通省令・内閣府令で定める事項を記載した書面を当該請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。
保険会社は、保険金等の支払を行つたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払つた保険金等の金額、後遺障害の該当する等級、当該等級に該当すると判断した理由その他の保険金等の支払に関する重要な事項であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものを記載した書面を前項に規定する請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。
保険会社は、第3条ただし書に規定する事項の証明があつたことその他の理由により保険金等を支払わないこととしたときは、遅滞なく、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、支払を行わないこととした理由を記載した書面を第1項に規定する請求を行つた被保険者又は被害者に交付しなければならない。
保険会社は、前3項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、被保険者又は被害者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険会社は、当該書面を交付したものとみなす。

【書面による説明等】

第16条
の5
保険会社は、前条第2項又は第3項の規定により書面を交付した後において、被保険者又は被害者から、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、書面により、保険金等の支払に関する重要な事項(同条第2項の国土交通省令・内閣府令で定める事項を除く。)であつて国土交通省令・内閣府令で定めるもの又は同条第3項に規定する支払を行わないこととした理由の詳細であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものについて説明を求められたときは、次項前段に規定する場合を除き、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより、当該説明を求めた者に対し、書面により、当該説明を求められた事項を説明しなければならない。ただし、当該説明を求めた者の同意があるときは、書面以外の方法により説明することができる。
保険会社は、前項の規定により説明を求められた場合であつて第三者の権利利益を不当に害するおそれがあるときその他正当な理由があるときは、当該説明を求められた事項の全部又は一部について説明をしないことができる。この場合において、保険会社は、説明をしない旨及びその理由を記載した書面を当該説明を求めた者に交付しなければならない。
第1項の規定による説明又は前項の規定による書面の交付(次項において「説明等」という。)は、第1項の規定により説明を求められた日から起算して30日以内にしなければならない。
保険会社は、事務処理上の困難その他正当な理由により前項に規定する期間内に説明等をすることができないときは、同項に規定する期間内に、第一項の規定により説明を求めた者に対し、書面により、前項に規定する期間内に当該説明等をすることができない理由及び当該説明等の期限を通知しなければならない。
険会社は、第1項の規定による書面による説明、第2項の規定による書面の交付又は前項の規定による書面による通知(以下「書面による説明等」という。)に代えて、政令で定めるところにより、被保険者又は被害者の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令・内閣府令で定めるものにより提供することができる。この場合において、当該保険会社は、書面による説明等を行つたものとみなす。

【支払等の届出】

第16条
の6
保険会社は、保険金等の支払の適正化を図る必要性が特に高いものとして国土交通省令で定める死亡その他の損害に関し、保険金等を支払つたとき又は第16条の4第3項の規定による書面の交付をしたときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。

【国土交通大臣に対する申出】

第16条
の7

被保険者又は被害者は、保険会社による保険金等の支払又は支払に係る手続に関し、次のいずれかに該当する事実があるときは、国土交通大臣に対し、その事実を申し出ることができる。

保険金等の支払が支払基準に従つていないとき。
第16条の4第1項から第3項までの規定による書面の交付を行つていないとき。
第16条の5第1項の規定による説明、同条第2項の規定による書面の交付又は同条第4項の規定による通知を行つていないとき。

【指示等】

第16条
の8
国土交通大臣は、第16条の6の規定による届出があつた場合、前条の規定による申出があつた場合その他の場合において、保険会社による保険金等の支払又は支払に係る手続が同条各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該保険会社に対し、支払基準に従つた支払、第16条の4第1項から第3項までの規定による書面の交付又は第16条の5第1項の規定による説明、同条第2項の規定による書面の交付若しくは同条第4項の規定による通知をすべき旨の指示をするものとする。
国土交通大臣は、前項に規定する指示を行つたときは、遅滞なく、内閣総理大臣にその旨を通知しなければならない。
国土交通大臣は、第1項に規定する指示を受けた保険会社が、正当な理由がなくてその指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
国土交通大臣は、第1項に規定する指示を受けた保険会社が、前項の規定によりその指示に従わなかつた旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその指示に係る措置をとらなかつたときは、当該保険会社に対し、その指示に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
国土交通大臣は、第3項に規定する公表又は前項に規定する命令を行おうとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣の同意を得るものとする。

【被害者に対する仮渡金】

第17条 保有者が、責任保険の契約に係る自動車の運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、政令で定める金額を第16条第1項の規定による損害賠償額の支払のための仮渡金として支払うべきことを請求することができる。
保険会社は、前項の請求があつたときは、遅滞なく、請求に係る金額を支払わなければならない。
保険会社は、第1項の仮渡金の金額が支払うべき損害賠償額を超えた場合には、その超えた金額の返還を請求することができる。
保険会社は、保有者の損害賠償の責任が発生しなかつた場合において、第1項の仮渡金を支払つたときは、その支払つた金額について、政府に対して補償を求めることができる。

【時 効】

第19条 第16条第1項及び第17条第1項の規定による請求権は、2年を経過したときは、時効によって消滅する。

【業 務】

第23条
の6

指定紛争処理機関は、次に掲げる業務をおこなうものとする。

保険金等又は共済金等の支払に関する紛争の当事者である保険会社、組合、被保険者、被共済者又は被害者からの申請により、当該紛争の調停(以下「紛争処理」という。)を行うこと。
前号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
前項第1号の申請の手続は、国土交通省令・内閣府令で定める。

【業 務】

第72条 政府は、自動車の運行によつて生命又は身体を害された者がある場合において、その自動車の保有者が明らかでないため被害者が第3条の規定による損害賠償の請求をすることができないときは、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。責任保険の被保険者及び責任共済の被共済者以外の者が、第3条の規定によつて損害賠償の責に任ずる場合(その責任が第10条に規定する自動車の運行によつて生ずる場合を除く。)も、被害者の請求により、政令で定める金額の限度において、その受けた損害をてん補する。
政府は、第16条第4項又は第17条第4項(これらの規定を第23条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定による請求により、これらの規定による補償を行う。
前2項の請求の手続は、国土交通省令で定める。
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